他BL

□クリスマスツリーを切り倒せ
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「まぁこういうムードある所にはカップルが集まるのが普通だよな」
「安易にムードに頼りやがって」
「別に良いだろそれは。 それに『ナギサのツリーをカップルで訪れると幸せになる』って噂もあるみたいだしな」
「逆に『ナギサのツリーをカップルで訪れると別れる』とか云う噂を流してやりたい」

デンジの目は本気に見えた。
各地に伝わる別れる系の噂は、コイツみたいな奴が流してるんだろうなきっと。
それにしても不機嫌だ。 そんなに改造がしたいのか……。

「……俺達も行くか?」
「はっ?」
「いやだから、俺達も幸せになりに行こうぜ」

外のツリーを指差すと、デンジが眉を顰めた。
なんというか『いきなり何言い出してんだこのアフロ』とでも言い出しそうな表情だったが、実際デンジが口にした言葉は違うものだった。

「俺達はもう幸せなんだからわざわざ行かなくたって良いだろ」

久々にこっちを向いたかと思えば、一見怒っているかと思う位真顔で爆弾を落として来た。
唖然としている俺をスルーして、デンジはまた窓の外を見ながら悪態を吐く。
あのてっぺんの星をヒトデマンに変えてやりてー、とか言っている横で、俺は嬉しさでニヤける頬を隠すのに必死だった。
口元を手で覆いながら、心の中でクリスマスやイルミネーションに感謝した。 デンジには悪いけどな。



=END=

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