他BL

□イン ザ オレンジ
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「寒い。 マジ寒い。 外に連れ出したヤツ責任取れ」
「俺しかいねーだろソレ」

オーバが苦笑混じりに溜息を吐く。
それも当然白く、そしてすぐに消えた。

「まぁ……責任取れって言うんなら取るけどな」

そう言うが早いか、オーバは俺の左手を右手で掴んだ。
掴んだと言うよりは絡めたと言った方が近い。
男同士のゴツゴツした指を絡めたもんだから多少の痛みは有るが、平均体温の高いオーバの掌はじんわりと俺の掌を温めていく。

「口では言わないクセに、遠回しなアピールはするよなお前」
「……悪いかよ」
「ンな事言ってねーだろ? むしろ可愛いもんだ」
「そうだろ可愛いだろ」
「その発言はあんま可愛くねぇなぁ」

夕焼けの中で笑うオーバが憎たらしかったので爪を立てるように強く握りしめてやると、少しだけ掌から伝わる熱が近くなった。
痛みを訴えながらもまだ笑っていたオーバは、やはりこの意味に気付いているのかもしれない。

「冬は嫌いだけど、お前は好きだな」

そう呟くとオーバがまた締まりの無い顔で笑うので、俺もまた繋いだ手を強く握りしめた。


=END=

→あとがき


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