他BL

□友は素敵に永遠に
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問題。何故俺は生きているのだろう。
回答。それは当然息をしているからだ。
目を閉じてソファーに寝転がりながらそんな自問自答を口に出さずに行う。
なら息をしなかったら死ぬんだろうと思って、そっと両手で首を絞めてみる。
ほんの十数秒で苦しくなって止めた。
いつか死ぬ時が来たとしても窒息死だけはしたくねぇな、と酸欠の頭で考えた。
大体良く考えてみたら、俺が考えたかった「生きている定義」はこういう事じゃなかったハズだ。
例え息をしていて五体満足で何の障害が無くても、そこに生き甲斐みたいな楽しさがなければ生きていない事になるんじゃないだろうか。
ここ久しく楽しいと思えるポケモンバトルをしていない。
退屈は人を殺せるってのは多分本当だと俺は思う。
随分前にも似た様な気持ちになった事があったが、その時は運良く実力のあるトレーナーと戦えたから良かったんだっけな。
あのトレーナーは確か四天王どころかチャンピオンにも勝利したようだし、またあの位の良質なトレーナーと戦ってみたい所だ。
そういやあの野郎も負けたって事になるんだよな、当然ながら。
うわー四天王のくせに情けねー。

「お前にそれが言えた義理か!」

あぁそうだその四天王はこんな声の奴だ、と思いながら目を開ける。
眩しいと思うよりも早く、トレードマークの赤いアフロが視界に飛び込んで来た。

「何だ、来てたのかオーバ」
「来てたっつーか、今来た所だ」
「つーかお前何俺の心読んでんだよ。 エスパー?」
「だったら良いよなー」

その反応から察するに、俺の考えは独り言としてオンエアされていたらしい。
どこから独り言だったのか、そしてオーバは何時頃から居たのか。


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