立海

□サヨナラの意味
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「ふーん。嬉々とする幸村が浮かぶようじゃ」
「実際楽しそうでしたしね」

赤也なんかも被害に有ったのかとか、柳は知ってそうだとか、雑談を交わす。
それが思いのほか楽しく、いつの間にか俺の家の前まで来ていた。
知らず知らずのうちに送ってくれていたらしい。
変な所で紳士らしさを発揮する奴だ、なんて照れ隠し。

「では仁王くん、また明日」
「おう」

にっこりと微笑む柳生。
俺も笑顔を返し、背を向ける。
確かまだだれも帰ってなかったはずだと思い、鞄の中の鍵を探す。
と、背後からの声が耳に届いた。


「God be with you」


透き通った、流暢な発音。
弾かれたように振り向けば、そこにはまだ柳生が立っていた。
紳士らしい微笑みではなく、俺にそっくりだと揶揄される笑顔で。
あの話はこの為の伏線だったのだと悟った。
様々な意味を込めて発せられたその言葉に、俺も似たような笑顔を浮かべながら返した。


「Good bye」と。



=END=

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