立海
□○月×日の憂鬱
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青い空と降り注ぐ日光。
天気に恵まれた今日の2時間目は、最高な事に体育だ。
テニスでなくサッカーなのが惜しい所だけれど、それを含めてもスポーツマンにとっては最高すぎる。
現に、早々と1時間目から授業をボイコットしていた仁王もグラウンドに降り立っている。
集合がかかるまで日陰に居たけれど。
「お前サボリ常習犯の癖に、この授業だけは無遅刻無欠席だよな」
「当たり前じゃろ。A組との合同なんじゃから」
そう。今日の体育は隣のA組との合同授業。
A組には同じテニス部の真田と柳生が居る。
この場合、仁王の目的は100%の確率で柳生だろう。
柳でなくても導きだせる確率だった。
「せっかく柳生と一緒に居られるのに、そのチャンスを逃すバカがどこにおるぜよ」
「……スマン、当然の返答だった」
反応に困った俺は、とりあえず謝っておいた。
なんでコイツらの関係って外にバレねーんだろう。
結構オープンなのに。
かなり親密度高めな友情だと思われてるんだろうか。
「仁王くん」
そんな事を考えていたら、声が掛かる。
それは話題の人物だった。
「柳生、どうしたん?」
「いえ、ただアナタと準備体操をしたいと思いまして」
「ん。ええよ」
二つ返事で準備体操と言う名のミニデートを承諾した仁王は、柳生と一緒にその場を離れた。
ポツンと一人残された俺は、軽く頭を抱えながら溜め息を吐いた。
ていうか、準備体操どうしよう俺。