他BL

□スカイフィルム
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本来閉ざされているハズの扉を開けたら、瓜二つの弟がシャボン玉を吹いていた。
シャボン玉は青い空へと昇り、弾けて消えた。

「また授業サボッたの?」
「もう理解してるとこわざわざ教えてもらう必要ねーだろ」

多分教師より俺の方が上手く教えられる、とハレルヤは言う。
実際それは大げさでなく、勝るとも劣らないと僕は思う。
兄としての贔屓目無しにハレルヤは頭が良い。
大部分の内容は教科書を読んだだけで理解しているだろう。

「で?今日のメインはなんだ?」
「玉子焼きとからあげだよ」

鞄からハレルヤのお弁当箱を取り出して、渡す。
その後自分の分を取り出して、彼の隣に座った。

「サンキュー」
「まったく……自分で持って行けば良いのに……」
「俺はアレルヤの手から直接貰いたいんだよ」

そんな事を言いながら、ハレルヤはすでに箸を取り出して食事体勢に入っていた。
さっさと食べ始めようとしていたけれど、「いただきます」は忘れない。
それを見届けた所で、僕も自分のお弁当箱の蓋を開けた。

「やっぱりお前の料理が一番だな」
「そんなこと無いよ。僕より上手い人は沢山居る」
「謙遜すんなバカ。俺が一番っつってんだから一番なんだよ」

何故か半分怒りながら、ハレルヤは箸を進める。
ハレルヤは良く僕の事を褒めてくれる。
口は悪いけど、僕にとってはどんな褒め言葉よりも嬉しい。
若干褒めすぎだとは思うけど……。


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