他BL
□World−End
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世界が赤い。
それは僕の世界でもあり、君の世界でもある。
その世界が、真っ赤に染まっていた。
『先逝ってるぜ……』
そう僕の脳内にしか聞こえない声でハレルヤは言った。
言った、というよりも呟いたと表現した方が良いかもしれない。
もうその声は、存在は、とても薄くなってしまって居たのだから。
「ハレルヤ……?」
僕の呟いた声に反応を返してくれる人はもう居ない。
機体のガラスに映る僕の姿は、正真正銘僕のもの。
僕が、一人になった瞬間だった。
「……嫌だよ、ハレルヤ……ハレルヤァ……」
頬を伝うものが涙なのか血なのかも分からない。
怪我の痛みも感じなくなる程に、僕の心は空っぽになった。
その空白を埋めたくて、ただただ彼の名前を呼んだ。
神に祈るように、彼の名前を呼んだ。
「ハレルヤ、置いていかないで……。僕を一人にしないでよ……」
ズルイよ。
あれだけ僕の心を捉えていたのに。
僕の事を束縛していたのに。
こんなにもあっさりと解放してしまうだなんて。
……ズルイよ。