立海
□だって掟だし
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「次は俺が行こう」
「そ、そうか…(もう止めたい)」
柳はスッと右手を構えた。
裏拳が来ると思い、真田は目を瞑る。
しかし。
「喰らえ弦一郎!『かまいたち』!!!」
「ごっふぅ!!!」
柳は構えた手を水平にし、思い切り真田のわき腹に叩き込んだ。
その衝撃で、真田の体はわき腹からくの字に曲がったように見えた。
「フッ…決まったようだな」
「スゲー!柳先輩スゲー!!」
テンションの上がる後輩の足元で、真田は悶え苦しんでいた。
いくら鍛えているとは言え、わき腹を鍛えるのは容易ではない。
直接内臓をぶたれたような痛みに耐えながらも、真田は立ち上がった。
「ぐっ…」
「何だ弦一郎。まだ立ち上がれたのか」
さらりと酷い事を言った柳は、横に居たブン太に耳打ちをした。
それを聞いたブン太はニヤリと顔にそぐわない邪悪な笑みを浮かべた。
少なくとも、真田にはそう見えた。
「俺のターン!!サナダにダイレクトアタック!!」
「ごへぶっ!!」
遊戯○のセリフを真似ながら、丸井は真田に突っ込んでいった。
いわゆる体当たりだ。
しかし、エルボーを繰り出しながらの体当たりだった。
「ミュで何故かぶたれた恨み〜〜!!」
「おまっ!体重かけてんじゃねーよ!!」
倒れこんだ真田の鳩尾に肘でおもっくそ体重をかける丸井。
ジャッカルが止めなければ、大惨事だったであろう。
多分。