病院
□記憶の荒んだ先
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“煙草ちょーだい”
うそ、僕吸えない。
「ぐっちゃ思い出した?僕の事ー」
「お生憎様俺の記憶の中にキノコは存在しねーよ」
ヒドイ…
「キノコじゃないし」
起き上がってフェンスに寄り掛かる。
「晴れてるねー」
見上げれば真っ青な空がコンニチハ。
これほどまでに晴れた空を見るのはとても久しくて。
「俺はキライだ」
かなしい声色でぐっちゃが放つ。
「どうして?」
…本当は、知ってる。
「分かんねぇ でも、キライ」
忘れてしまったキミへ
伝えたいけどまだ駄目で。
「ぐっちゃが思い出したくなったら教えてあげるね」
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