ポケモン小説
□素直な気持ちを君へ
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「こんにちはー!お邪魔しまーす!」
懐かしい声が聞こえ、同時に胸のドキドキが激しくなる。はあ……マジで怖くなってきた……
そう悶々としてるうちに、カスミがこの部屋に近付いてきてる。
そして……
カスミが入ってきた。
「あっ、サトシじゃない!久しぶりー!……あれ、皆は?」
そう言って部屋をキョロキョロと見回すカスミが可愛く見えた。今まで可愛いと思ったことは何度かあるが、こんなにドキドキしてるのは初めてだ。
「み、皆は今出てる。久しぶりだな、カスミ。」
うわー……どれだけ落ち着けてねーんだ俺……
カスミが俺の向かいのソファーに座る。この距離の近さがますます胸の鼓動を速くする。な、何か話題はないか……?
「サトシ、とりあえずこの間のリーグ、お疲れ様。接戦で準優勝だったんでしょ?やるじゃない!」
「え、あ、ああ!決勝戦も勝てると思ったんだけどな、俺もまだまだ甘かったな。」
カスミから話題を振ってくれたことに少しだけ安堵する。そのカスミは俺の言葉にクスクスと笑みを零す。
「何だよ、何かおかしいか?」
「ううん、ごめん。あんたも成長したんだなぁって思ったの。昔のあんたなら、自分の甘さを認めたりなんかしなかったでしょうからね。」
「うっ……否定できない……」
「でも、あんたもちゃんと成長してるみたいね。頑張ってるみたいじゃない。この前雑誌であんたの特集記事見たわよ?『四天王も認める若き天才トレーナー!』ってね。ポケモンマスターに認定されるのも時間の問題ですって。なんか、昔のあんたを知る者としてはちょっと信じがたいけど、嬉しくもあるわ。」
そう俺を素直に誉めるカスミの笑顔が、不覚にも可愛いと思ってしまった。
「……へー、そんな特集あったんだ。でも俺はまだまだだよ。いつか必ずなってやるけどな!」
そう俺も笑って返す。カスミも満足げに頷いてくれた。
それから2人で他愛のない会話を続ける。だがこのままだと告白するタイミングを逃してしまう……覚悟を決めろ、俺!
「あのさ、カスミ……」
「何?どうかした?」
「真面目に、聞いてほしい……」
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