ポケモン小説

□素直な気持ちを君へ
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「好きな子って?」

何のことだ……?

「だからさ、サトシももう大人になるし、結構女の子からモテるだろ?それに今まで旅してきたカスミ達とか、気になったことないのか?」

「ええ?俺モテたりしてないぜ?よくバトルが終わった後ご飯に誘われたり電話番号聞かれたりするけど。何でか知らないけどさ。」

するとタケシの顔がなんかひきつってきた。

「お前モテてるじゃないかぁぁぁ!!!『男』として今ほどお前が憎いと思ったことはないぞぉぉ!!」

「痛だだだだ!!?た、タケシ、あああ頭を揺らすなぁ゛ぁ゛!!」



それから少し経ってようやくタケシも落ち着いたみたいだ。あー痛かった……

「じゃ、じゃあサトシ、その女の子達の中に気になる子はいるか?」

「気になるって?」

「だからぁ、可愛いとか、お付き合いしてみたいとか!」


……


…………


………………


……………………!!

「あ、ああ!?」

ここでようやくタケシの言いたいことがわかった。ようするに彼女にしてみたいとか、結婚とか、そういうことか。

話の内容と、今までわかっていなかったことへの恥ずかしさで顔が熱くなる。

「ようやくわかったか……で、どうなんだ?」

タケシがまた尋ねてくる、が、

「そっそんなこと言われても、おぉお俺気にしたこともなかったし……」

やたら焦っているのはわかるが落ち着けない。我ながら情けない答え方になっていた。

「その反応だといないようだな……カスミ達のことはどう思うんだ?」

「ま、まだこのネタなのか?」

こういう恋とか愛とかの話は昔っから得意じゃなかった……まぁ興味がほとんどなかったせいもあるけど。

俺が嫌がる気配を見せても、タケシはますます興味津々といった様子で「どうだ?どうだ?」と聞いてくる。

「どうだとか言われてもなぁ……ハルカもヒカリも大切な友達だし……ってかあいつら彼氏いるしな……」

「じゃあカスミはどうなんだ?」

「そりゃもちろんカスミだって大切な―……」

そこまで言ってふと思考が止まる。

大切な……何だ……?


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