塚立 すみれ学園

□その女ガサツにつき!(後編:パーティーナイト)
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夕暮れが近い。
今夜のパーティに浮かれながらも学園の生徒、そして教員までもが上の空ながら授業を終えた。
足早に寮へと向かう生徒達。
塚立すみれ学園では例外を除き、生徒は寮生活をおくる決まりだ。
男子寮と女子寮は離れた場所にある
と言っても、広大な学園の敷地内ということは変わらない。

貴姫がキョロキョロと幼馴染みを授業が終わった教室で探しても、その姿は見当たらず
自分を残して生徒が居なくなった教室には苦手な先輩がヅカヅカと入ってきた
『ジュンの嘘つき!守ってくれるって言ったのに・・・』
そう心の声で言ってみてもしかたがない
「帰るか。どっちがいいよ?」
「・・・ど?え?」
「あぁ、朝のお前の歩くのみたらチンタラチンタラ遅せぇからよ」
頭をポリポリとかきながら真琴は続ける。
「おんぶか抱くかで連れて帰ることにしたからよ」
「やだやだやだ!無理無理無理です!」
「あぁ!?」
顔に不機嫌さを一気に出した真琴に首を大きく振って貴姫は拒否をした。
まだまだ苦手な、しかも先輩に、しかも・・・
自分が近づいてはいけないような、住む世界が違うお金持ちのお坊っちゃまらしいし・・・
と、貴姫は今朝の真琴の親衛隊らしき生徒達の言葉を思い出していた。
「ったく、かわいくねぇ」
ため息まじりで、どこか照れくさそうに吐く真琴
「ハイ!かわいくないです!!普通の顔です!」
と真顔で力説して返す貴姫
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