塚立 すみれ学園

□その女ガサツにつき!(前編:謎の少年現わる)
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「センパイ。もう一度私の『熱いトコロ』触って・・・」
おっおい!オレの手を握ってそんな顔で“おねがい”するなんて卑怯だぞ!!
「どうしたんだよ!?おまえおかいしいぞ!!」
「センパイが保健室であんなところ触るからおかしくなっちゃったんだよ!責任とってもう一度さわってよ!!」
「責任って・・・触ればいいのか?あそこを?」
「・・・うん」
そこを触ったら、オレから離れて出てってくれるならいくらでも触ってやるよ!
このままじゃ、本当におかしな事になりかねない。
おまえにはそんな事、したくないから。
「じっとしてろよ、さわったら大人しく出て行けよ!」
「うんうん出て行く、出て行くから早く〜」
「じゃ・・・」


「そ〜〜〜〜〜〜〜〜んな事だろうと思ったんだ!!真琴!起きろー!!!」
傍で真琴の耳に向けて叫ぶ愛嘩のおでこを、真琴の手のひらが何度も優しく撫でている。
「うっ・・・ん、うるさい・・・貴姫、おまえオレを呼び捨てにするな・・・」
「いつまで寝てんだか・・・この嘘つきめ!・・・寝不足のお返しにもう少し」
「触ったら・・・出て・・行くって言っただろ・・・」
愛嘩は真琴の上に身体を重ねて耳をペロリと舐めた。
「やっ!!辞めろ!!バカ、何するんだ!」
「センパイ、ダイスキ、もっと私の『熱い オ・デ・コ』触ってぇ〜」
真琴は、白いキャミソールワンピース姿の香寿に上に跨がられ、耳を舐められるという〈エッチ〉な悪夢を見ながら、必死にそれを止めようと、夢の中の香寿のおでこを触りながら説得を続けていた。

「センパイ、キスして」
愛嘩は猫撫声で耳元に囁く。
その時、愛嘩の体はグルリと回転して気がつくと組み敷かれる形でベットの上に仰向けになっていた。
勿論上には真琴の体が覆いかぶさっていた。
「あっ・・・あり?」
「ホントウニキスシテモイインダナ?」
座った目で愛嘩の手首を拘束しながら重い声は言った。
「まっ真琴?起きてんの?ってか怒ってる?」
「オマエかぁ〜あんな夢をオレに見せていたのは・・・」
手首に込める力を更に強くして口角をクイッと上げて笑うと顔を近づけていく。
「そぉ〜か、そんなにオレ様のキスのスペシャルなキスを受けたいか!」
「うっ・・受けたくない!受けたくない!!」
「遠慮するなよ、イイ夢見せてもらった替わりにお礼としてタダだ、落ちない女がいないと言われるオレ様のキスを披露してやるよ」
静かに淡々と話す言葉に『キレてる』と確信した愛嘩は誤摩化し笑いをひきつってしていた、が。
「そんなもんオレに披露しなくっていいから、あはははははははは・・・は」
「うるせぇ!仕返しだ!!!」
「いやぁ〜ディープなのはやめてー!なんで学園の王子と言われたオレが男のお前とディープキスなんてしなきゃならないんだよ!!」
「お前が変な夢見せるからだ!最悪の夢だったんだぞ!!」
「・・・裸の貴姫ちゃんに迫られたり?」
愛嘩のホッペを左右両方掴み、力一杯に外に引っ張る、その目は笑っていなかった。
「おまえなぁ〜!!!」
「ヒョメヒュニャヒャイ(ごめんなさい)」
「なんで『力』使ってまでオレに夢、見させた?!」
「ひひはっはっはひゃら」
「は?」
パッと手をはなすと愛嘩は
「いてぇ・・・ったく。知りたかったからだよ、お前が昨日言った言葉の真相が!」
「えっ?」
「“アツイトコロ”触ったって言うから、オレに意地はっただけか、本当に何かあの子と何かあったのか。お陰でこっちは寝不足で、だからだよ!」
「そんな事かよ〜」
「オレには重要な事だよ!」
「チッ!まったくよ〜、はぁ〜お前らしいけど」
「けど?」
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