Present-novel
□I'm dide human
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―ヴォーカルside
「死体は好きですか」
なんてお前がいいやがるから、
俺は正直に返しただけなんだ…
「そう…、ですか…」
言葉を紡いだ直後、
後悔した。
お前の言葉が生気を失(な)くしたから、
今お前がしているだろう仮面の下の表情を
嫌でもわかってしまったから…
死体だった、
お前は
人間だった、
お前は…
今
俺は
何て言ってしまった…?
『馬鹿言ってんじゃねぇよ、好きなわけねぇだろうが。
たかが人間の死体ごときに
なんで好きだなんて云う感情を向けねぇといけねぇんだよ。
そんな汚ねぇもん嫌いに決まってるだろ。』
嗚呼…
俺って…
どこまでも残酷だ……
こいつだけは傷付けない様にって
人間でいう恋とは無縁なはずの俺が
想い始めていた唯一の奴なのに…
俺は今…
否定した…