★〜club 双龍〜★

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「よお! アンタ美人だなぁ…コレやるよ」

 元就の横にドカリと座って、真っ赤なバラの花束を差し出した。

「いらぬ」

「わ――――――――ッ!
何? 何? モトナリちゃん、バラ好きだって? 元親様、ありがとうございます!」

 小十郎が懸命に元就の言葉をかき消そうとしたが、それもむなしく、見事にその場は静まり返った。

―――――クッ…ハハハハッ!

 緊張した静寂を打ち破ったのは、元親の笑い声だった。

「気に入った! いいじゃねぇか。媚びを売らないその姿勢! 俺はこの子を落とすまで通うぜぇ? なぁ、久秀!」

 久秀はククッ、と笑うと、横の政宗に耳打ちをした。

「彼はドMでね…」

 政宗もくすくす笑って、小十郎に目で合図をすると、彼はそっと洗面台の方へ向かう。

「あれ…久秀は違ったっけ?」

 政宗は必要以上に久秀の耳に唇を寄せて、甘い声で囁くと、すまねえ、ちょっとトイレ、と久秀の頬にキスをして席を立った。久秀は愛おしそうに、政宗の髪を撫でたが、胸元で携帯が鳴ったせいか、急いで彼も席を立ち、一旦外へ出た。

(2へ続く)
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