おはなし
□あたしとおれと
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暗殺チームのアジト
夜も更けてきた筈なのに忘れものを取りに来た律儀なあたし
ひとはいないと思っていたけれど、なぜか鍵が開いている こんな時間なのに
もしかして泥棒!?お化け!?などとこのチームの面子らしからぬことを考えてしまった
びくびくしながらノブに手をかけ、そうっと入る。目に入ったのは、いつも通りの質素なみんなのデスク、それに…
パソコンのディスプレイの光を受けて
「そう、それだ
ベネ!ディモールトいい子だッ!」
ひとり、ヒートアップしているメローネの横顔
入った瞬間に、あたしはそれを不愉快ながらも視野に入れることになった
左向きでほぼ髪に隠れていたけど、声やテンションから分かる通り、実に楽しそうなもので
ベイビィ・フェイスが活動を始めたのだろうなあと、勝手に解釈
事実そうであるし
「おや、どうしたんだ?」
メローネがこちらに気付き、顔を向けて問った
……とてもいい顔だ きもちわるい
「忘れ物 取りにきたの
それより凄く楽しそうよね あんた 本当」
少し皮肉気味に返す
どうしたんだ はあたしの台詞だと思ったけれど 言わなかった
自分のデスクの引き出しを開く
…あぁ やっぱりここにあった
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