おはなし

□あまいゆめを!
1ページ/4ページ






あまいゆめを!





ねむい…





デスクのパソコンとにらめっこして、目を擦る
手元には愛用のコーヒーカップ
テンポよくキーを叩くものの、すぐに押すべきを間違え、慌ててバックスペース
他メンバーの様に肉体労働(=暗殺仕事)は無いものの、ここのところの事務仕事は過度だった
しかもまだ終わらない
仮眠はしていたが、ちゃんとした眠りはとっていなくて
今にでもまぶたがストーンと落ちてきそう
ぶんぶんと頭を振るけれど、睡魔はいなくならない
いつ終わんのこれ、と思わずにはいられなかった


「名無しさん」


ふいに、斜め後ろから声が飛ぶ
はっとして、誘われるように振り向いたなら、

「あ、リーダー」

暗殺チームリーダー、我らがリゾット・ネエロがそこに
まさか今より仕事を増やされるのかと思い、身構えてしまう
(現にここ数日であった)
もしここでそう来るなら一生恨もうと思った

しかし、リゾットはただわたしを真顔でじっと見ているだけ
耐えられなくて視線を外そうものなら、「名無しさん」、と咎められる
その言葉に、わたしはなぜか背く事ができないの

空中で視線が絡み合う
リゾットの赤い眼に、わたしが映っているのを確認出来る程に



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ