短編小説

□おわかればいばい
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校庭では写真を撮ったり友達と話したりまだまだ賑やかそれをあおいたてるようにきれいなピンクがヒラヒラ


「なんだまだいたのか」

煙草の匂いあたしの好きな匂いだるそうな声あたしの好きな声
窓に向いていた体をゆっくりと回れ右。先生どうしたんですか

「お前も卒業かせいせいすんな」

失礼しちゃう

「まっZ組の生徒にしちゃーマシだったな」

他の人たちがすごすぎるもんそりゃマシだよ



「なあ」

さっきとはちょっと違う真面目そうな声空気がかわった
少し静かになって教室に響くのは声をしゃくりあげる馬鹿なあたしの声

「んないつまでも泣いてんなよ」

ぐしゃぐしゃ。大きなあったかい手があたしの頭をぐしゃぐしゃあーあ髪の毛めちゃめちゃ
でもねありがとう落ち着いたけどあたし優しくされたら涙とまんないな


「最後ぐらい笑っとけ」

ぐしゃぐしゃはどっかいったそのかわりべしっと音を立てた

「いって」

「ほら帰んぞ」

今度は先生が回れ右煙草の匂い残してすたすた
あたしも後からすたすた

窓の外を見るとやっぱりきれいなピンクがヒラヒラああ最後なんだって実感した










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