† 残 † 番外編

□告白
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僅かに眉をひそませて、頬を紅潮させて。

眠る貴女はまるで、茨の城の眠り姫。


告白



初めて彼女にお目にかかったのは、白い白いベッドの中。

私の存在に気付きもせずに、少し苦しそうに顔を歪めて眠っていました。

あまり具合が好くなかったのだと話には聞いていましたが、あの寝顔は逆に心がざわついてしまいます。

けれど私はまた別の事を考えていたのです。


少しばかり、独り言を聞いて下さいますか?





私は彼女を一目見て、密かに心を揺さぶられていたのです。

何故なら彼女があまりにも私の大切な女性に似ていたから。

顔の造りも、雰囲気も、寝顔も。



何もかもすべて。



このような偶然があるものかと、何度も我が目を疑いました。

彼女の眠るベッドの上で取っ組み合いをするロイズやデューンやレイなどしばらく目に入らなかったくらいです。

それほどまでに驚いてしまった訳ですが、その後のロイズの反応もまた不可思議でしたね。

彼女が私のドールであるエリーゼに似ているのだと言ったところ、その発言に対して彼もまた何やら驚愕していたようですから。


でもそれは深く追求しないでおきましょう。


そんなこんなで数日後、ふと回廊を元気に駆けて行く彼女を見かけたのですが、どうしてでしょう。

彼女の姿を見ると、何やら心に平安を感じるのです。

未だかつて、何とも思っていない方に対してその様な感情を抱いた事などなかったこの私が、です。


戸惑うでしょう?


エリーゼや他のドール達に対する感情とは少しばかり違う様なのですが、まったくもって不可解です。

まさか彼女が神に仕える者だから、などと言う事ではないでしょうね。

そんな理由なら、私は今すぐ太陽に焼かれてきましょう。


エルフェリス。


いやはや本当に不思議な女性です。

しかしながら彼女には青のドレスがよく似合う。

機会があれば、特別にしつらえたとびきりのドレスをプレゼントしましょう。


白い薔薇を添えて――。





fin.


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