† 残 † 番外編
□40000hit:白薔薇の姫
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「白薔薇の姫」
深き闇の中、深き森の奥、外界からひっそりと姿を隠す様にぽつんとそびえ立つ古い城があった。
四方を高い壁で囲まれたその城には、東西南北それぞれに固く閉ざされた城門が設置されており、侵入者を頑なに拒むかのごとく内側から冷たい鉄の錠が嵌められてた。
だが中から溢れてくるこの香りといったら例えようもないほど芳しく、大きく垂れ込めた月を背負って輝く姿はまるで古い物語に出て来る様な城を連想させる。
無数の花が咲き乱れるそこに住まう者、それは……。
永劫の闇に属する魔物、ヴァンパイア。
中でも最も美しきはその城の主とも言えるシードの三青年。
夜の帳を纏った花園に誘われて、ホラ。
今宵も優雅に姿を現す。
少しばかり覗いてみようか。
麗しいまでの魔物の一時を……。
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