長夢
□序章
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・・・今日は、父さんと母さんが帰ってくる日だ。
両親は仕事の都合上、一度でかけると、しばらく帰ってこれない。
だから、2人が帰ってくるのは、とても嬉しかった。
「・・・それにしても、遅いな・・・」
学校はとっくに終わって、こうして首を長くして待っているというのに、両親どころか兄さえ帰ってこない。
「・・・どうせ部活でもしてるんだろうけど、今日ぐらい休めばいいのに・・・」
そうつぶやいた時、電話がなった。
ぞくり、と寒気がした。
なんだろう、嫌なかんじがする・・・
切羽詰った様子でかけてきたのは、部活に行っていると思っていた兄だった。