本編2
□x'mas オムニバス
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人を愛するとしあわせになる。
そんな気持ちを知る。
薄暗く曇った冬の空。
風に晒す喉元がビリビリと痛む。
「ったく・・・。うぜえなぁ。だからクリスマスとか嫌れえなんだよ」
白くなる息に本音がつい出る。
寒さにかこつけて、どんなカップルでもベタベタ寄り添ってやがる。
この季節がオレを苛立たせるのか、それとも、クリスマスだからと必死に
生殖行動しようとする野郎共にむかつくのか・・・。
どちらにせよ。
オレ、カネダジュンヤ(高2)は、このイベントが嫌いだ。
神様の誕生日を祝う日だろうに。
どうして、世間はその夜にセックスすることしか頭に無いのか。
「いつヤッタってセックスはセックスだろ」
だいたいにおいて。
オレは神様とか嫌いなんだよ。
そんなもんは居ねえからだ。
どんなにオレが死にそうになったって、姿なんか表さなかった。
そんな神様だ。
人間一人、救えない。
それとも、オレだけなのか?オレだけ、見捨てられたってだけなのか?
お前の人生は、コレしか無いんだって。
救いの手どころか、逃げる事も許されない人間ってか?オレ。
思わず、ニヤリと口元が上がる。
視界に入る人間、誰でもいいから、犯してやろうか?
誰を不幸にしてやろうか?