本編2

□真夏の夜の・・
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自分(ツヅキ タカヒサ)がどんなに諦め
が悪いか知ってる。
こんなにオレって乙女だった?
だってさ、アイツの姿見てるだけでも
幸せ・・なんて思っちゃってさ。
前は、必死こいてアイツを嫌いになろう
って頑張ってたのに、今じゃ。
毎日、絶対一目でもアイツの姿見れない
と、なんかさ。

ここ(胸)が、イテエんだよ・・。

そっと心臓のあたりを摩ってみた。

どうなってんだろうなぁ、人間って。
だって、マジでここ、痛くなる。
ズキッてくる。
ココロ。
ココロ。
脳みそで考えて。
ココロで息してる。
そのココロに影響・大、の男がいる。
今日も、モリヤは笑ってる。
その横顔を校舎の窓から見つめながら、
オレは両腕組んだ上に顔乗せた。

好きだ。
ずっと、好きだ。
ずっと、ずっと、好きだ。

でもさ。
このクソ暑い毎日じゃ、オレの根気も挫か
れるっつーの?
身体が熱くて、それが夏の日差しだけのせい
じゃない気がする。
好きになりすぎて、身体がぶっこわれてる。
毎日、お前を見て、安心して。
だけど、オレは我慢してる。
我慢してるんだよ。
どんなにお前の幸せそうな顔見れたって、
オレは、そこへ降りて行けないんだ。
降りてったら、お前、困るだろ?
だから。
我慢する。

でもさ、この暑さ。
気でもオカシクなりそう。
オレがそこへ降りてって無茶苦茶にキスしたい
気持ちになってても別にオカシクないだろ?
ギリギリの線でオレは立ってる。






オレの目の前の水道でモリヤが友達とふざけ
あって、水ジャージャー出して髪濡らしてた。

ヤメロよ・・・お前、それじゃなくっても、
なんか釦とかも一個多く外れてるのだって気
になってんのに・・。

胸がドキドキいってる。

チラチラ見えてるシャツの中が、オレを煽っ
てる。

あー・・・、この感覚。
勃起しそう。

それを知らないモリヤは、ビッショビショのシ
ャツを、脱ぐとついにはソレをぞうきんみたい
に絞り出す。
仲間達も大笑い。
皆でぞうきん絞り。
シャツはもう濡れてシワだらけで、とてももう
着る気になれないんだろう。
バサバサ広げて、空を煽いでる。

たくっ・・何やってんだよ・・!

オレは自分のシャツのボタンを外して、袖を脱
いで。
「ナギ!」
聞こえた声にオレは窓の端へ隠れた。
声が聞こえたのはオレより一階上の踊り場。
モリヤとその友達が上を見上げた。
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