本編

□やさしい声の続き。
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SIDE ワタヌキ
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発情じゃなく。
欲情。
性欲じゃなく。
衝動。

初めて会った時から。
考えるより体が、モリヤ ナギを欲しいと訴えてた。


頭の中で何度もアイツを犯してた。
狂いそうな位キスして、突き上げて、抱き合って、ドロドロに溶け合う、そんなセックス。
何度も繰り返されたシュミレーション(横行?)。

制服のポケットの中で指に触れたジェルの缶が、さらにオレを煽ってた。







「ナギ」
袖を抜かないままのシャツ。
つけっぱなしの電気。
ロード中のプレステ。
テレビからはゲームのBGM。

オレは制服を着たままで、夢中でモリヤを突き上げてた。

いつまでも、呼吸が収まらない。
アキタの寄こしたあのジェルは効きすぎた。
チンポがビンビンに腫れあがって中身が弾けそうなくらいに敏感になってる。
オレはアイツの忠告もド忘れる程、モリヤを抱く事に夢中になってた。
あーしようこーしようなんて考えてた事はみんな吹っ飛んでた。

とにかく、体を離して、モリヤのすぐ真横に仰向けに転がった。
既に失神しているモリヤをこれ以上犯すわけにはいかない。
ソレ位はわかる。
あのジェルのせいで、体中が火照って頭までイカレそうだった。
ゴムをつけなかったせいで、オレにまで効いてる。

だいたい、ゴムなんて、存在自体マジで忘れてた。

モリヤのそこが、オレを受け入れてくれるってわかったら、無我夢中だった。

これが、セックス。
初めて、本気でシたセックス。
体を繋ぐ快感よりも、やっとモリヤ ナギを征服できる快感で目が熱くなった。

オトコ同士でも、無理でもなんでも、体を繋ぎたかった。
オスの本能がオンナを抱けって言っても、生殖本能がオンナに植えつけろって言っても、オレには関係ない。
あの日、モリヤと出会って、惹かれて、キスして、体に触れて。
ハッキリと自覚する。
オレとセックスするのはコイツだ。コイツがオレのチンポを受け
入れる相手なんだ。

「ナギ」
閉じた瞼にキスを落とす。
そのまま、モリヤの頭を抱き寄せた。
「なぎ好きだ」
髪に唇を寄せて呟く。
「なぎ、大好きだ」
再び熱くなる目を閉じて、唇を這わせた。
額から、鼻筋、唇に落ちて、首、胸、腹。
伸びた腕を取って、その手首を強く吸うと、くっきりと紅い線が引かれた。
同じようにもう片方へも、印をつける。

「オレのものだ」

唇で犯した全身を最後に眺めて、オレはモリヤを抱き上げた。
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