本編

□セイヨク?真夜中の訪問者
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とにかく裸になって抱き合いたかった。

セックスってなんなんだろう?

体を繋げるって事の意味は?

気持ち良くなるため?射精するため?

違う。違うと思う。

たぶん、お互いを支配するための儀式。

それが、メチャクチャで、今まで知らなかった感覚で、言った事も無いような言葉で、体で、全てが、相手にしか見せられない事で、
秘密の快感で。

オレが自分で初めて知る。

アイツに触られてひどくビクついて、なのに、イヤじゃなくて、我慢できて、
頭で考えるより、血とか肉とかそんな単位で、アイツを欲してる自分がいる。

目を開けて眩暈を起こす。
居るはずの無いアンタの幻。
自分の上に重なってくるアンタの影が、オレを襲う。
ワイシャツのボタンを外しきらない格好で、オレの首筋を唇で辿ってく。

ああ、オレ、犯されちゃうよ。
アソコが熱く感じる。
オレはアンタに腕押さえつけられて、ガンガンに腰打ちつけられて、突き上げられる度に射精しまくってる。
アンタの肉がオレの中で動いて、アンタは・・、アンタは・・笑ってて・・・。


「ッッ!」
目が覚める。
真っ暗な闇の中。もちろんそこは自分の部屋で、自分のベッドで。
髪が濡れる程の汗をかいて、オレは現実に目を開いた。

ああ、アンタのイク時の顔ってどんな顔なんだろう・・・?

オレ達はまだ、セックスしてない。
それが、こんなにツライ事だと思わなかった。

あのギリギリの線で、オレは助かったと思ったはずだったのに。
事実、学校で最後までできるわけないし、オレ達はまた日常を演じてた。
だけどあの体験は、オレを追い詰める。
授業中だって、部活の時だって、フとした時に、何度も何度も思い出して、
思い出すだけじゃ足りなくなってくる。
アンタの顔を見た時、もうどうでもいいから、狂ったようにキスしてやりたかった。
学校だろうが廊下だろうが教室だろうが関係無い。
アンタが悪い。オレをこんな煽るから。明日、我慢なんてもう出来ないかも知れない。
ジリジリ焼き切れそうな神経。

現に今。
オレの体は名実ともに追い詰められていた。
ビンビンに起ち上がったチンポに溜息がでる。あの快感は右手なんかじゃ生まれない。
だけど、このままで、また寝れるような状態なんかじゃない。

死ぬ程体が疼いてる。

オレは携帯を手にした。
自分から掛けたことのない番号を呼び出す。
狂ってる、って思う。
何時かもわからない夜中に、オレの事情で叩き起こして、そして、どうするって?
ついに、呼び出し音が止まって、アイツの声がした。
『・・犯すぞ・・テメェ・・』
寝起きの不機嫌な声にオレは満足して声を出して笑っていた。
「いいよ、センパイ」
『・・・言ったな。・・・・何時なんだよチキショー・・・二時・・?オレさっきだぞ、
寝たの・・・。』
スゲー不思議。今までの苛つきが晴れてく。(ただ単にこのオトコを困らせられて満足なのかも)
たまには、本能のままに行動するのも必要だな。
「起こして、スミマセンデシタ。もう、切りマス。オヤスミナサイ」
『行く』
「は?」
『今から犯しに行く。寝るなよ』
ブツ。ツーツーツー・・

えーと。こういうの何て言うんだっけ?ワザワイテンジテフクトナル?
違う!!逆だろ!逆!!
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