兄弟
□ダイキライ2
1ページ/9ページ
真っ白なシーツ。
裸でも不快感の無い空調に 部屋に射し込む新しい陽射しが心地よかった。
身体中の筋肉痛のような重だるささえなければ、快適な一日の始まりだ。
一度閉じた目を開いて ゆっくりと起き上がる。
いつものことで、目が覚めると渋木さんの姿はなかった。
慣れたことで、シャワーを浴びに裸のままベッドから出た。
誰もいないはずの部屋を真っ裸で通り過ぎようとして、軽い咳払いがして、オレは飛び上がった。
「よう」
声の主は、ベッドルームの隣の部屋でコーヒーを片手に新聞を読んでいた。
「王ちゃん…! 」
「いいナリ(容姿)だな 」
兄貴はいつからいたのか・・・
コーヒーに食いかけのトースト 、イチゴの入ったヨーグルトと、同じものがもうワンセット用意されていた。
「メシ持ってきたから、 顔洗ってこいよ」
「う、うん」
慌てて前を隠して シャワールームに逃げ込む。
心臓が爆発しそうな勢いで胸を内側から叩いてる。
なんで兄貴が!?
しかも、あんな・・・あんな、なんでフッツーに!?
とにかく、シャワーを出して、お湯を頭から被った。
自分の体を摩りながら、おかしなところは無いか、見てみる。
乳首の周りに赤い痕がいくつも付けられていた。
「うわ…」
さっきまでのコトを思い出して、頭に血が上る。
手首にもベルトを巻かれてた痕が薄っすらとついている。
内股にも擦り傷のような赤い線が少し入っていた。
震える手で自分を抱きしめて、涙が浮かんでくる。
見られた…
ぜったい 見られた!
誤魔化しようのない状況に、言い訳が浮かぶわけもなかった。
一気に絶望感が押し寄せてくる。
どうしよう・・?
兄貴に知られた?
オレどうしたら・・・!?
数分そのまま出しっぱなしのシャワー に打たれて立ち竦んでた。