兄弟

□ダイキライ2
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真っ白なシーツ。


裸でも不快感の無い空調に 部屋に射し込む新しい陽射しが心地よかった。

身体中の筋肉痛のような重だるささえなければ、快適な一日の始まりだ。

一度閉じた目を開いて ゆっくりと起き上がる。

いつものことで、目が覚めると渋木さんの姿はなかった。

慣れたことで、シャワーを浴びに裸のままベッドから出た。

誰もいないはずの部屋を真っ裸で通り過ぎようとして、軽い咳払いがして、オレは飛び上がった。

「よう」

声の主は、ベッドルームの隣の部屋でコーヒーを片手に新聞を読んでいた。

「王ちゃん…! 」

「いいナリ(容姿)だな 」

兄貴はいつからいたのか・・・

コーヒーに食いかけのトースト 、イチゴの入ったヨーグルトと、同じものがもうワンセット用意されていた。

「メシ持ってきたから、 顔洗ってこいよ」

「う、うん」

慌てて前を隠して シャワールームに逃げ込む。

心臓が爆発しそうな勢いで胸を内側から叩いてる。


なんで兄貴が!?

しかも、あんな・・・あんな、なんでフッツーに!?

とにかく、シャワーを出して、お湯を頭から被った。

自分の体を摩りながら、おかしなところは無いか、見てみる。

乳首の周りに赤い痕がいくつも付けられていた。

「うわ…」

さっきまでのコトを思い出して、頭に血が上る。

手首にもベルトを巻かれてた痕が薄っすらとついている。

内股にも擦り傷のような赤い線が少し入っていた。

震える手で自分を抱きしめて、涙が浮かんでくる。


見られた…

ぜったい 見られた!


誤魔化しようのない状況に、言い訳が浮かぶわけもなかった。

一気に絶望感が押し寄せてくる。


どうしよう・・?

兄貴に知られた?

オレどうしたら・・・!?


数分そのまま出しっぱなしのシャワー に打たれて立ち竦んでた。
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