†イザキラ館†
□『未知との遭遇』
1ページ/17ページ
キラ・ヤマト(18)は、天外孤独の身。
けれども、本人にはそんな悲壮なトコロなどなくて、日々適当に上手いコト生きていた。
それなのに、現在、人生最大のピンチを迎えていたのだ。
――――チャリン、チャリン。
お財布の中から落ちる小銭はたったの2枚。通帳の残高も、底を尽きて。
―――お金が無い。
先月、いきなりバイト先の居酒屋のオーナーが夜逃げしたとかで、雀の涙程の給料しか貰えなかった。
それでも、そのお金が尽きる前に、次の仕事先が見つかるだろうと軽く考えていたのだけど。
不景気なのか、何処も雇ってくれなくて。
とうとう残金は、菓子パンの2つも買えるかな…という程になってしまった。
このままじゃ、来月は家賃も払えなくて。
「…流石に、ホームレスはなぁ」
呟いて。
最後の望みのつもりで、コンビニで立ち読みした求人広告。
「これ、いいなぁ…」
住み込み、3食付き。
ただし、条件は女性のみ。
「女だけかぁ…」
でも、これ以上の高条件は他に無い。