†イザキラ館†
□『fall×fall』
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キラ・ヤマトとは、嘗ては連合の白い悪魔と怖れられた、MSパイロットである。それが戦後半年も経って、何を思ったか単身プラントへとやって来てコネでザフトへ入隊した。
誰のコネかというと、戦後暫定的に議長となったカナーバだ。
カナーバ議長はそれを、気心の知れたモノが居た方がいいだろうと、新設されて間もないジュール隊へ配属させた。
気心! そんなもの、イザークとキラの間にある訳が無い。顔を合わせたのは終戦後の、ほんの僅か、挨拶程度しか言葉を交わさなかったと記憶している。その後すぐ彼は地球へ降りて、それきりだったのに。
「…軍事訓練受けた事無いって、本当だったのね」
イザークの隣、ディアッカは呆れた調子で溢した。
配属されて3日目、訓練規定を―――と艦内の射撃場に連れて来られたキラは、早速イザークに洗礼とも言うべき、怒鳴られた。
『貴様は、銃の使い方も知らんのか軍人のくせに!?』
セーフティーを外す事無く、銃を構えたのだ。その時のキラはといえば。