†キリリク館†
□『僕の幸せ、君の幸せ』
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それは宇宙に上がったばかりに、ふと気付いた違和感。
いつも後を追うのは、どちらかというと自分の役目だった。
幼い頃から突然何をやりだすか分からなくて、だから目が離せなかっただけなのだけれど、きっと本人は、その理由に気付いて無かったに違いない。
二度目の相反の後で久しぶり再会をした幼馴染みは、酷くしっかりしていて、あの頃の――手を煩わせていた頃の面影なんか全然無かったから。
自分が一々目を光らせて、ついてまわる必要は無くなったのだと、無意識にそれを止めた。
そんなある日、ふと気付いた幼馴染みの変化は些細なものだったけれど、気になった。
「お前、何で俺の後ばかりついて来るんだ?」
ラインの増えた軍服が今の彼の立場を物語って、――忙しいだろうにと思う。
暫くの沈黙の後で、幼馴染み――キラは口を開いた。
「ごめん、迷惑だった?」
「いや…」
また流れる沈黙は、どちらが作り出したものだったろうか。
「誰かに言われて監視させられているんなら必要ないよ、俺はもうお前達を裏切らない」
忙しいんだろうから大変だろうにと、口にしたそれに返されたのは。