†キリリク館†

□『日はまた過ぎて、繰り返す』
1ページ/14ページ

「よし。もう大丈夫だな。…今日から、お風呂もOKだぞ」

 AAの医師が、そう言って包帯の取れたアスランの背を、バンバン叩いて快活に笑った。

「良かったね、アスラン!」

 隣でキラが、嬉しそうにに言うと。アスランは。

「お前の看病のお陰だよ?」

 そう言って、隣のキラの後頭部に手をやって引き寄せると、ホッペに一つキスをした。
 されたキラは、多少恥ずかしそうにはにかんだけれど、抵抗する事もなく瞳を閉じて受けている。
 目の前で繰り広げられる光景は、アスランがAAに合流してから幾度となく目にしたモノで、医師は今更驚きもしない。けれど。

「あ〜君達、だからと言って無理は禁物だからね?」

 医師がそう付け足すと、2人は。

「「気を付けます」」

 声を揃えて。アスランはニッコリと、キラはやや頬を染めて答えた。

 医師がこう言うのには、理由があった。前例があるのだ。

 アスランの傷が塞がる前。何か激しく体を動かして、折角塞がりかけた傷が開いてしまって。
 アスランと、一緒に付いてた筈のキラは、2人揃ってこっぴどく叱られたのだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ