†キリリク館†

□『恋愛遊戯』
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 それは、まるで突然降って湧いたかのような話だった。

「カガリに婚約者!?」

 ぼくの双子の姉カガリに、そんなモノいたなんて。まったく知らなかったからビックリした。

 本人も男勝りで。黙っていれば可愛いのにと、よく言われていたし。ぼくもそう思う。

 ぼくの家は、旧家ではあったけれど没落寸前で。婚約は、大方何処かの成金さんの御曹司とかなんだろうなと思う。

 ぼくにもいつか、そんなのが宛てがわれるんだろうとか思うと。憂鬱だった。

 でも当のカガリは、寝耳に水みたいで。

「絶対、やだ」

 を、繰り返して両親達を苦笑させていた。

「でもね、良いお家なのよ?…ほら、あのザラ財団のご子息で。お嫁にいけば贅沢な暮らしができるわよ」 

 両親達は、なんとかカガリの興味を引き説得しようとしたけれど。
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