†キリリク館†
□『ブラザ-・コンプレックス』
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オレ、シン・アスカの兄キラ・アスカは、男女共に良くモテル。
顔も女の子みたいに可愛いし、性格もいいから当然なんだけど。
いつの頃からか、俺はそれに苛立つ様になって。
なんでかずっとわからなくて、余計苛々もした。
でも、最近やっとわかった。
キッカケは兄がポツリと言った一言だった。
「告白されちゃった…」
それは、嬉しそうな感じじゃなくて。ちょっと苦笑混じりのモノだったけれど。
兄のその言葉に、オレの心臓はドキリとして。
―――思った。
相手が誰かは言わなかったけれど、応えて欲しくないと。そして、漸く気づいたんだ。
オレは、兄が好きなんだと。
元々オレの父親と兄の母親の再婚で兄弟になったから、血は繋がって無いし。
だいたい、今更どこかの誰かに、渡すつもりも予定も無い。
優しいけれど、どこか頼り無げな兄を。幼い頃から守って来たのは俺なのだ。鳶に油揚げ…なんて冗談じゃない。
相手が誰だろうと。絶対、渡したくなかった。