†キリリク館†
□『ほしいもの』
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「わかった、いいよ。好きにすれば?」 僕が答えると、普段の子供ッポイ彼の表情からは想像も出来ないくらいの、意地悪そうな笑顔を見せた。 普段は、子犬の様にまとわりついてきては。なつく姿が可愛いな…とか、思ったりもしていたけれど。 2人きりで、放課後の特別教室。予め、ひかれたカ-テン。カチャリと閉まる鍵の音に、ドキリと心臓が大きく鳴る。 ――――なんで、こんな事になるんだろう。目の前の彼は、いい後輩だったのに。 僕を真っ直ぐ見つめる紅い瞳。それが、怖いと思ったのは初めてだった。1歩1歩、近づく彼に。同じだけ僕は、後ずさった。 ガタンと音がして、自分が背の低い椅子にぶつかったのに気づいた。そのすぐ後ろには、4人用の大きくて広い机があって。 もうこれ以上、後ろに行けななかった。