†アスキラ館†

□『いつも、隣に』
2ページ/23ページ

「なんでお前がここにいる、キラ―――――…!!」

 常の彼からは程遠い、大きな怒りを孕んだ声が、さして大きくも無い1室に響いた。 

その場に居合わせた彼の同期の、イザ-クもディアッカもニコルもそんな彼の声を聞くのは初めてで。唖然とした様子で、彼の方を見ていた。

 一方、顔を合わせた途端に怒鳴られたキラ本人は、僅かに肩をすくめたものの余り驚くわけでもなく。けれど、少し潤んだ紫水晶の大きな瞳を上目使いに彼に向けていた。

「まあまあ、アスラン。その事は私から説明しよう?」

 ただ1人、まったくいつもの表情を崩さない仮面の男が、いつもの静かな口調で言った。

「…クル-ゼ隊長!?」
「静かにしたまえ、アスラン」

 そう言われたら、黙るしかない。アスランは大人しく口をつぐんだ。そして全員の視線がやっとクル-ゼ隊長へと向かう。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ