†キリリク館†
□『ブラザ-・コンプレックス』
4ページ/22ページ
瞬間シンは、またモヤモヤで胸が一杯になる。
なんで、あんなヤツとそんな仲良く話してるんだよ!?
「眉間に、シワがよってるぞ」
不意にかけられた声に、顔をあげると。親友の一人、レイだった。
「わ〜るかったな!」
レイと話してても、向こうの校舎が気になって、きがきじゃない。
レイも視線の先を見やって、ヤレヤレと溜め息をつく。
向こうの校舎では、相変わらずキラとイザ-ク が楽しそうに話してて。
気にいらない。なんでオレが見てるのに、全然気がつかないんだ!?
前なら、すぐに気づいて手ぐらい降ってくれたのに。
話すのに夢中なのか相変わらずキラは、まったく此方に気づく気配はない。
「どうでもいいが、次移動教室だぞ?」
「え!?」
レイの一言に、オレは驚いて我に帰った。
慌てて教科書を準備して、勢いよく席を立つ。
教室の入り口で振り返ると、レイが付いて来ていない事に気が付いた。
「置いてくぞ、レイ?」
レイはというと、窓の外へ視線をやっていた。その先は、高等部の校舎。
シンからは見えないが、キラが此方を見ていた。