短編

□甘い華
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熱が引くのをひたすら待っていると
コツコツと誰かの足音が聞こえた


気づかれないように息をつめた

耳を済まし足音が聞こえない事を確認する


その足音は、どんどん遠くへ流れていく


「…はっ…」


完全に音が消え力を抜いた


瞳を閉じ


暴れる心臓を宥めるため深呼吸をする


「…み〜つけた」


「っ?!…ぁあ゛!」


上からのし掛かられ動けない

薬の影響でろくな抵抗出来ずに必死にのるやつを見る

「お〜い。折原みつけたぞ。

今押さえてるから、
鎖でももってこいよ」


…話の内容からして、この状態にしたやつだね…


「…君たちは、何がしたいんだい」


「何でもいいだろ
どうせ、何も考えられなくなるからな

というかもう辛いんだろ?」


右手で腕を拘束され、左手が下を撫でる


そんな刺激にも、体は悲鳴をあげる


「っ…くっ…」


力を入れようにも、入らずされるがままになる

後から次々と集まる奴らに体が拘束されていく


「おい。良いとこあるぜ?」


一人の男が頭上を指差すとそこには物が引っかかりそうな棒が


それは丁度臨也の伸ばした手の少し上に合った


「いいねぇ〜」

手にかかる鎖が引かれ棒に絡められる


必然的に臨也は背伸びする事になる


「いい格好だな」


「まぁさっさとやっちまおうぜ」


「薬漬けでいいんだっけ」


「何してもいいらしいからな〜


…ぇぇとコレかな」


「おま、それはえげつないだろ〜」


等と笑いながら注射器を取り出していた

その様子をぼんやりとしか見ることのできない臨也に男たちが群がる


「そんな不安そうにみなくても大丈夫だよ〜」


「そうそ。ただ男が欲しくて堪らなくするだけだからな」


両耳から言われ何とも言えない震えが走る


頭では理解しても、

体が動かない

嫌だ…


腕に注射器が打たれる


嫌だ…嫌だ…


ナイフで服が裂かれる


いや…だ…


沢山の手が体中を触り、

口からは叫び声とは程遠い甘い悲鳴をあげる…


下をも脱がされ何かを塗られる


「ぁ…ゃめ…っ…」

後ろにまんべんなく塗られたそれは、体に馴染むとまた変化する


「…ぁ…たすけ…」


潤んだ瞳で馴染んだ人影を見た気がした
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