人形家族.

□:ぜんまい人形.
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「結局、Bの兄貴は生き返ったが後遺症で感情を無くしていたそうだ。まるで人形のようにな」
「人形、」

アメ兄ちゃんは、単調な口調のまま話を続けた。

「死にたくない人を死なせるのと同じように、生きたくない人を生かすことも罪なのだろう」
「そんな、」
「どちらも、他人の命を手にかけたことに変わりはないからな」

死んで欲しくないと思う気持ちさえも、罪なのだろうか。

心を失った兄を永遠に見つめていくことが、罰だというのだろうか。

「いいかハレ、命に限らず無くしたらもう戻ってこないものだと思え」
「戻って、こない」
「代わりがあるなら代わりを見つけろ、なかったら諦めるんだ」
「………」

それだけで、少しは生きることが楽になるから。

アメ兄ちゃんの眼帯を見つめながら、僕はコクンとうなずいた……。


...fin
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