学園果実.

□:保健室.
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これは、私が高校2年生の時に同級生のイチゴさんから聞いたお話です。


『:保健室.』


私とイチゴさんが1年生で同じクラスだった時、クラスメイトにUさんという女の子がいました。

Uさんは保健委員で、毎朝健康観察に使っているノートを保健室に持っていきました。

ある日の朝、Uさんはいつものようにノートを保健室に持っていった時のことでした。

「あれ、もしかして今日は先生いないの?」

扉の前に、出張中と書かれた看板がかけられていました。

職員室から鍵を借りてこなくては、とUさんが立ち去ろうとした時です。

ガタン

「!!」

不意に、保健室の中から音が聞こえました。

(誰か、いるのかな)

扉に手をかけると鍵は開いていて、Uさんは扉を開きました。

「あ、こんにちは」
「………」

保健室に入ると、廊下側のベッドに肩まで布団をかぶった女子生徒が横になっていました。

女子生徒は、大きく見開いた瞳でUさんを見つめていました。

(保健室の先生がいないのに、この人1人で大丈夫なのかな)

心配になり、Uさんはノートを棚に入れると女子生徒に声をかけました。

「あの、先生を呼んできましょうか?」
「………」

フルフルと、女子生徒は小さく首を振りました。

「そうですか、じゃあお大事にしてください」
「………」

教室に戻ろうと、Uさんが扉を開けようと手をかけました。

ガチャ、ガチャ

「え?」

先ほどまで扉は開いていたのに、何故か今は開かなくなっていました。

どうしてだろう、とUさんがオロオロしていたその時でした。


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