学園果実.

□:貯水槽.
1ページ/3ページ

.
これは、私が高校2年生の時に後輩のユズさんから聞いたお話です。


『:貯水槽.』


ユズさんのクラスメイトに、Kさんという女の子がいました。

Kさんは昔から風邪を引きやすい体質で、冬になると毎日かかさず手洗いとうがいをしました。

そんなある日、体育の授業を終えたKさんはいつものように素早く水道に向かいました。

後ろの列がつかえては困るなと思って、Kさんは蛇口をひねりました。

「えっ、」

一瞬、Kさんは何が起きたのか全くわかりませんでした。

しかし周りの人や後ろの人の反応で、Kさんはその異変に気づきました。

「きゃあああっ!!」
「何これ、どうして水が赤いのよぉお!!」
「………」

水が赤いと聞いて、Kさんは排水口に流れていく水を見下ろしました。

水は透明ではなく、絵の具をこぼしたような濁った赤色をしていました。

血のように赤い水には黒い髪の毛や肉ごとはがれた爪、むいた皮のような物が混じっていました。

「………」
「あっ、Kちゃん!!」

Kさんは、気を失って倒れてしまいました。

それが、これから起こるKさんの恐怖の始まりだとも知らずに。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ