学園果実.
□:渡り廊下.
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これは、私が高校２年生の時に担任のリンゴ先生から聞いたお話です。
『:渡り廊下.』
リンゴ先生がこの女子高に赴任する前、Ｈさんという女の子がいました。
Ｈさんは、教室棟から管理棟に行く時はいつも渡り廊下を使いました。
ある日、Ｈさんがいつものように教室棟から渡り廊下を歩いていた時のことです。
(あら？)
管理棟の方から、おぼつかない足取りで女子生徒が歩いてきました。
(どこか、ケガでもしているのかしら？)
フラフラと揺れながら進む女子生徒とＨさんがすれ違ったその時でした。
「きゃっ!!」
「………」
ガシッ、と女子生徒がいきなりＨさんの手首を掴んだのです。
「ちょっとあなた、手を離しなさいよ!!」
「………」
女子生徒はＨさんの言葉を無視して、スタスタと教室棟に向かって歩き出しました。
「そっちじゃないわ!!私は管理棟に行くのよ!!」
「………」
Ｈさんが何を言っても、女子生徒は手を離そうとはしませんでした。
教室棟と渡り廊下を繋ぐ扉まで来ると、女子生徒はＨさんを床に乱暴に投げつけました。
「きゃっ、」
「………」
ドサッ、と教室棟の廊下に尻もちをついたＨさんはその状態で女子生徒をにらみつけました。
「あなた一体どういうつもりなの!!いきなり人をここまで連れてきて!!」
「………」
渡り廊下にポツンと立っている女子生徒は、口元だけで笑いました。
それに腹がたって、Ｈさんが口を開いた時です。
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