不幸携帯.

□:充電.
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これは、私が高校2年生の時に友人のフタハちゃんから聞いた話です。


『:充電.』


フタハちゃんの知り合いの知り合いに、Hさんという女の子がいました。

ある日の放課後、Hさんが教室で携帯電話を打っているとピッピッと電子音が鳴り響きました。

「あ、充電切れた」

チッと舌打ちして、Hさんは携帯電話をにらみつけました。

「最近充電すぐ切れちゃうんだよなあ、もしかしてまた電池悪い?」

でもこの前充電パック交換したのに、とHさんはため息をつきました。

ピッ、とHさんは画面が真っ暗になった携帯電話のボタンを押しました。

「明日から学校に充電器持ってこようかな、でもまた先生に怒られちゃうのは嫌だし」
「H、お前に充電が切れるくらい携帯を使わないという考えはないのか」
「!!」

ハッと振り向くと、あきれたような目を向けた女性が立っていました。

「何だhくんか、先生だったらどうしようかと思っちゃった」
「どうするんだ?」
「とりあえず充電器借りてもいいか聞く」
「馬鹿者」

コツン、とhさんはHさんの額を小突きました。

「携帯は家に帰って使えばいいだろう、何故学校で使おうとするんだ」
「だって携帯すっごく楽しいじゃん、メールも電話もゲームも何でも出来るんだよ?」
「だが、何も充電切れるまで使わなくてもいいのではないか?」
「むぅ」

ポチ、とHさんは充電が切れて動かない携帯電話のボタンを押しました。

「hくんのお説教はもう聞き飽きたよ、充電したいし私もう帰る」
「あ、おいH」

hさんが呼び止める声を無視して、Hさんはバッグを持ち上げると教室の外に向かいました。

「あの馬鹿が」

1人教室に残されたhさんは、険しい顔をしてチッと舌打ちをしました。


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