不幸携帯.

□:チェーンメール.
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これは、私が高校2年生の時に級友のヒトハから聞いた話です。


『:チェーンメール.』


ヒトハの知り合いの知り合いに、Gさんという女の子がいました。

ある日の放課後、Gさんが教室で携帯電話を打っていると1通のメールが届きました。

「あら、gから?」

何の用事かしら、とメールを開くとGさんは顔を歪めました。

『このメールは不幸のメールです。これが届いた人はその日のうちに別の人に送って下さい。さもないとあなたの元に不幸の使者がやってきてその日のうちに大きな不幸を届けるでしょう』
「はあ!!」

Gさんは、メールの内容を見て怒りをあらわにしました。

ピッ、とGさんは携帯電話のボタンを素早く押すと耳に当てました。

プルルルル、と単調な機械音が流れるとガチャッと音が聞こえました。

『はいもしもし』
「ふざけたメール送ってこないでよg!!」

爆発したように、Gさんは電話の向こう側にいる級友のgさんに大きな声で叫びました。

少し間を置いて、gさんは笑いました。

『ごめんごめん、こんなメール送れる友だちってGしかいなくて』
「こんなメールを送るような人間だから、アンタは友だちいないのよ!!」

ごもっともです、と反省の色もみせずにgさんは言いました。

「しかもアンタ、私がこういうの大嫌いだって知っていてやったわね」
『うん、でもGが誰か別の人に不幸メールを回せば解決する話じゃん』
「それが嫌なの!!」

罪悪感というものを知らないのか、とGさんはため息をつきました。

『でも実際に不幸の使者が来るわけじゃないし、安心していいと思うよ。ただのチェンメだし』
「じゃあ何で私にチェンメを送ったのよ」
『うーん、Gとお話する口実を作りたかったからかなー?』
「ふざけないで!!」

ピッ、とGさんは怒りのあまり電源ボタンを押してしまいました。

通話が強制的に終わった携帯を見て、Gさんはムカムカしていました。

「本当に不幸の使者が来たらただじゃおかないわよ、g」

Gさんの目は、怒りに燃えていました。


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