不幸携帯.

□:スケジュール.
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これは、私が高校2年生の時に友人のフタハちゃんから聞いた話です。


『:スケジュール.』


フタハちゃんの知り合いの知り合いに、Dさんという女の子がいました。

ある日の放課後、Dさんは教室で携帯電話を打っていました。

「んーと、明日は朝から現社のテストがあって、明後日は委員会と塾があって、それから」

Dさんは、慣れた様子で携帯電話にスケジュールを入力していました。

1週間の予定はたくさんあって、空白がほとんどありません。

「よし、入力完了!!明日の予定確認したら、部室に行こうかな」


ピッとボタンを押して画面を変えると、Dさんは今日のスケジュールを確認しました。

すると、Dさんは妙なことに気がつきました。

「あれ?今日dに会う予定なんてあったっけ?」

スケジュールには、今日の夕方にdさんに会うと書かれていました。

dさんは、Dさんと同じクラスの女子です。

しかし、Dさんはdさんに会う予定はありませんでした。

「おかしいなあ、dとはあんまり話したことがないんだけど」

dさんに確認を取りたいところですが、Dさんはdさんの携帯番号もメールアドレスも知りませんでした。

dさんと親しい人がわからないので、連絡を取る方法がありません。

「どうしようかな、あんまり親しくないからっていっても約束をすっぽかすのは駄目だよね」

かといって、Dさんは記憶にない予定に従えるほどの勇気もありませんでした。

しばらく考えて、Dさんは言いました。

「うーん、明日dに会って話を聞けばいいかあ。本当に約束していたら謝ればいいし」

考えた末に、Dさんはdさんに連絡をとるのをやめました。

「さてと、じゃあ部室に行こうかな」

Dさんは携帯をパチンと閉じて、部室に行く準備をはじめました。

この選択肢が、間違いであることに気づかずに。


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