不幸携帯.
□:電話.
1ページ/3ページ
.
これは、私が高校2年生の時に同級生のハナさまから聞いた話です。
『:電話.』
ハナさまの知り合いの知り合いに、Bさんという女の子がいました。
ある日の放課後、Bさんが教室で携帯電話を打っていると突然電話がきました。
「あ、bちゃんだ」
画面を見ると、そこには同級生であるbさんの名前がありました。
ピッ、と通話ボタンを押してBさんは携帯電話を耳に当てました。
「はい、もしもし」
「………」
「bちゃん?」
「………」
Bさんは、電話の向こう側にいると思われるbさんを何度も呼びました。
しかし、bさんは何も答えてくれませんでした。
「bちゃん?」
はあ、はあと荒い呼吸音が聞こえるだけでbさんは何も言ってくれませんでした。
アンテナは立っているんだけど、とBさんは首をかしげました。
「もしもしbちゃん?全然聞こえないよ?」
「………」
「何で黙っているの?どうかしたの?」
「………」
「bちゃん?」
Bさんはだんだん、不安になってきました。
もしかしたら何か言えない事情があるかもしれない、とBさんはbさんが心配になりました。
「bちゃん、あの」
プツン、と不意に電話が切れました。
電話が通じないことに気がついたのかな、とBさんは携帯電話を見つめました。
「またかけ直してくれるかな、bちゃん」
そう言って、Bさんはまた携帯電話を打ちはじめました……。
.