学園果実.

□:焼却炉.
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「!!」

ガン、とSさんは後頭部に強い衝撃を受けて大きく視界が揺れました。

目の前グラリと歪み、意識がだんだん遠のいていきました。

「あ、う」

Sさんは、倒れていく自分の身体が焼却炉に吸い込まれるような感覚を覚えました。

(倒れたく、ない)

ガッ、とSさんはとっさに焼却炉のふたを掴んで倒れないように自分の身体を支えました。

Sさんが振り向くと、そこには火かき棒を手にした女子生徒がいました。

「あ、あんたの仕業?」
「………」

女子生徒はSさんの問いに返事を返さずに、火かき棒を振り上げました。

ガン、ガン
ガン、ガン

Sさんの意識が完全になくなった頃、女子生徒は火かき棒でSさんを殴るのをやめました。

女子生徒は動かなくなったSさんを抱き上げて、焼却炉の中にドサッと落としました。

ガチャン、とふたを閉める女子生徒の顔は満足気に笑っていました。

バリバリバリバリ
バリバリバリバリ

「………」

何かを噛み砕くような音が焼却炉から聞こえて、女子生徒はその場から立ち去りました……。


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