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番外編
◆ValentineDayKiss◆




人気があるから仕方無いのだが、バレンタインデーくらいは一緒に過ごしたかったと元親は思う。
2月14日当日は朝から晩まで握手やサイン会、事務所のイベントに出演したりと大忙しなのだ。
溜め息を吐きながら今日もまた元就が出演しているDVDを観ていると、チャイムも鳴らさず、しかも自分に何の断りもなく勝手に作った合い鍵を使い、彼が部屋に入って来た。

「…あのなぁ、せめて…」

もう聞き飽きた言葉"チャイムを鳴らしてから入って来い"を言わせないよう、元就は隠し持っていた箱を彼に差し出す。

「当日は一緒に過ごせぬからな」
「元就…」

嬉しくて、お世辞にも綺麗とは言えない緑色の包装紙を破き、箱を開いた瞬間、元親は言葉を失った。
中には何で作ったのだろう、かなりグロテスクな色と形―恐らく自分の陰茎を模しているのだろうチョコが入っていた。
食べるのがかなり憚られるが、折角作ってくれたのだ、食べるしかない。
意を決して一粒摘み、口に入れようとすると元就に止められた。

「そのまま食べては美味くなかろう。貸せ」

そう言うと彼は性器の形をしたチョコの先端をしゃぶったり、舌先で舐め回す。
別に自分のモノが直接舐められている訳ではないのに、何故か下半身が熱くなり、下着ごとジーンズを脱ぐと元就を見詰めながら自慰を始める。

「此方の陰茎は甘いが…それはどんな味がするのだろうな」
「舐めてみるか?」

元就は口にチョコを含むと、そのまま彼の亀頭をくわえる。

「…っ、んっ…!」

口内で溶けたチョコレートが唾液と混ざり合い、其処に絡み付く。
いつも以上に気持ち良く感じるのは何故だろう―肉の棒を脈打たせると、元親は彼の咥内に精液を放つ。

「甘かったろう?」
「…ああ…貴様も味わってみるか?」
「俺は飲むより飲ませてぇから良いや」

笑顔でそう返すと、元親はチョコレートを口に含んだ。
決して美味いとも甘いとも言えない微妙な味に苦笑すると、元就の味覚を疑ってしまった。



END.

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