水晶の群生地(庭球CP無し)

□スピ☆まほ
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昼休み。
俺は今、同じクラスで部活仲間でもある白石と机をくっつけて弁当を食っている。
「謙也お前………受験そんなに辛いんか?弟くんもおるんやし何も医学部に拘る事あらへんで?」
俺から朝のあれこれを聞いた白石が、心配そうに尋ねる。
「せやから、勉強のし過ぎで頭おかしくなったんちゃうねん!俺は正気や!」
「そこまで言うなら、俺の手握ってみてや」
「お、おぅ…」
白石がぱっと開いた手を差し出したので握手をすると、脳内に具材が流れ込んできた。
「もち巾着、トマト、チーズちくわ、ロールキャベツ」
「せ、正解や…!全部俺が好きなおでんネタやん…!!!」
驚愕を隠しきれない白石。ようやく信じたようだ。
「これで理解したか?」
「理解した。せやけどそれ、おでんネタ限定なんか?」
「んあ?」
「例えば…俺がさっき何考えとったか分かるか?」
「いや、おでんネタしか聞こえんかった。……言わんでえぇで?」
「正解は、『オサムちゃん孕ませたい』でした」
言わんでえぇっちゅーても勝手に言いよる男やったわ。こいつ……
「昼間からキレッキレのド変態やな。お前…」
白石が、飲み終わったブリックパックを綺麗に潰す。
「ま、童貞拗らせて魔法使いになったんなら、脱童貞すれば元に戻るんちゃう?知らんけど」
「そんな相手おったら苦労せんっちゅー話や…」
お前みたいなモテ男と一緒にすな。
「広義的には『性行為しとらん状態』が童貞やさかい、性行為さえしとれば攻め受けは関係ないらしいで」
「俺は男として、ちんちん挿れた上で卒業したいんや!」
「分かったから落ち着きや…」
「ちんちん挿れたい!ちんちん挿れたい!」
「忍足くん、教室で何言うてんの…?」
「先生呼んだ方がえぇんちゃう?」
あかん、クラスの女子が氷点下の眼でドン引きしながらこっち見とる……
「ほれ見ぃ、女の子達から軽蔑されとるに」
「スマン…」



ちなみに、卒業式の後オサムちゃんで『卒業』したら消えた。
俺は男になった。

【完】
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