激情に燃える紅玉(庭球CP有り)
□ヤドカリ
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白石を受け入れてから、自室に物が増えたとオサムは思う。
自宅からだと高校から遠いからという理由でしばしば泊まりに来るが(しかも親公認)、その度にサプリメントやら美容グッズやら、テンピュールの何やらかんやらを携えてくるのだ。
おかげで、冷蔵庫にバランスガイドが貼ってあったり、家主自身は滅多に食べないような栄養機能食品が入っていたりと、以前の彼の城からは想像もつかない部屋に成り果ててしまった。
(こいつ…私物持ち込んでウチを乗っ取る気とちゃうか……)
何故かそんな考えが浮かんでしまう。
家主のベッドに陣取って脚にセルローラーを当てている白石に、オサムがぽつりと問う。
「何しとん…?」
「美脚の手入れ。」とあっさり返して、呑気に手を動かす白石。
「俺のベッドの上でやんの、やめてくれん?寝れんのですけど」
「寝たらええやん。ほら、俺に構わず」
「いや、お前がどいてくれんと、俺が布団に入れんの。ちょうど入口付近に陣取りよって」
「いちいち細かいなぁ。だいたいオサムちゃんやって帰りは遅いし、メール返すのも遅いし、給料はすぐ馬につぎ込むし、最近は口だけで本番までやらせてくれんし、酷い時はコケシに頼って一人で済ませてまうし、俺の事嫌いなん?」
さすがに憤慨したようで、一気にまくし立ててきた。
「嫌ってなんか…ない…!」
図星を突かれた為にぐうの音も出ず、オサムは苦しそうに返した。
「なら好きにさせてや。」
白石は事も無げに言うと、気持ち良さそうにマッサージを続行した。
「またうるさい事言うたら、一番でかい奴挿れて一晩中啼かせたるで?」
そんな風に釘を刺されても、体は萎縮するどころか火照ってくる。
そんな自分はいよいよ末期だと、アルコールで痺れた頭で感じる年上の恋人だった。
《END》
白石亭主関白伝説……f^_^;