激情に燃える紅玉(庭球CP有り)

□ピンクサンダー
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【場所 府内某大学某キャンパス】

うふふ、全世界のカワイイ子達、こんにちは!みんなのスイートフェアリー・小春ちゃんよ。
今日はアタシ、おとんが勤めてる大学の公開講座に呼ばれてたの。アタシみんなの前で講義しちゃったんだから!スゴいでしょ。
何の科目ですかって?それはヒ・ミ・ツ。
それに、そんな事聞いても面白くないでしょ?アタシは当分お笑いの方に専念したいの。

さぁ、雑談はこのくらいにして、と。
今頃お家ではパーティの準備がされてるはずだわ。
アタシが生まれた時の話聞きたい?
あの日は秋晴れが美しい、とても空気の澄んだ日だったらしいわよ。
今ほど環境問題が深刻じゃなかった時代だったからかしら。とにかくおかんも姉さんもすごく喜んでくれたってよ。

あ…?ちょっと何よ。ヒトがいい気持ちで喋ってんのに。
……マジで?あの子もしょうがない子ねぇ。顔見たら愛のお仕置が必要ね。


門の横に立っていたのは……
「ユウ君…どうしたの?」
「白石に聞いたら『親父さんの大学行った』言うから、来てみたんや。」
「そうだったの…」
一途なのは認めますけどね。アンタ、融通ってもんがないの?
相手の都合を配慮できる殿方にこそ、女の子がついてくるってもんでしょ。
ん…?って事はアタシが一氏の…うっわ、マジないわ。
「お家で待っててくれても良かったのに。ユウ君風邪ひいてまうわ。」
「これ、一刻も早く渡したかったん。」
「あら、可愛い…!」
ユウ君がくれたのは、ピンクのリボンがかかった長細い箱だった。
「開けてや。」
「うん。」
中に入ってたのは、中心にピンクの石が収まった金色のペンダントだった。トップの金具は真ん中をくりぬいたハート型で、穴部分に石がさがっている。
「ピンクトルマリン…?嬉しいけど、貰えないわよ。こんな高価な……」
「俺がデザインしたんや。石代は兄貴から借りた。」
その分お年玉全額取られるけどな。そう加えてユウ君はやんちゃっぽく笑った。
「小春、いっつも勉強頑張っとるから、疲れ溜まっとらんかなと思って…。」
「せやから、トルマリンにしたの…?」
あらあら……。
「嬉しい。そういう事ならありがたく受け取るわ。どもおおきにね。」
「小春ぅぅぅ…」
「さっ、帰りましょ。いつまでもこんなとこおったら二人共風邪ひいてまう。」
「お…おう!!」
大学のスクールバス乗り場まで、ユウ君を引っ張って帰路についた。


……ねえユウ君。ピンクトルマリンの宝石言葉って、『貞節』って言うのよ。知ってた?
いや…多分知らへんか…。
アタシを繋ぎ留めておきたかったら、アタシにふさわしい漢気溢れる殿方になってちょうだい。
アタシを手に入れるのは大変よ。覚悟しといてね。


《END》


ハッピーバースデー小春ちゃん!
これからも男を翻弄し続けてね!!
 

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