激情に燃える紅玉(庭球CP有り)

□ラピスラズリ
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休日の穏やかな午後。食料の買い出しから帰る途中、偶然にも白石に会ったので散歩も兼ねて遠回りした。

「あ!懐かしい。」
白石が突然立ち止まったのは、青い屋根を持つ白亜の建物。
「オサムちゃん、ここ俺が通っとった幼稚園。」
「お前、小学校梅田やなかったっけ?」
「あぁ。親の転勤で小学だけ一時的にな。ホンマはこっちの生まれ。」
「さよか…」
ふう、と煙草の煙を吐いて、外壁に目をやる。
青硝子を嵌め込まれた鳥のエンブレムの横に、真鍮の表札が掛かっていた。
『おおるり幼稚園』




「おおるり…?」
記憶の破片が少しずつ繋がっていく。
ついに、ひとつの形になった。


思い出すことすら辛くて、無意識に壊していた記憶…
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